英雄たちの選択「どうした?石川数正 〜なぜ家康の忠臣は出奔したのか〜」2023-09-02

2023年9月2日 當山日出夫

英雄たちの選択 どうした?石川数正 〜なぜ家康の忠臣は出奔したのか〜

ちょうど『どうする家康』で石川数正の出奔の件が出てきたばかりである。それに合わせての企画、放送ということになる。

『どうする家康』では、石川数正がなぜ秀吉のもとに走ったのか、その理由は明確に示されないことになっていた。徳川への忠誠心があると同時に、秀吉という人物を直に知ることで感じとっている世の中の趨勢のとの間のジレンマ、という感じであった。まあ、結果的には、石川数正が、秀吉のもとに行ったことによって、家康と秀吉の全面的な対決は回避できたということにはなるのだろうが。

この番組の結論としては、石川数正は徳川を見限ったのではなく、徳川のために秀吉のもとにはしったということになっていた。

番組を見ていて思ったこととしては、まず松本城がある。松本城には、学生のとき、若いころに何度か行ったことがある。松本で学会があったときにも、行ったと憶えている。天守閣にものぼった。ただ、この城が、石川数正の作ったものであるという認識は持っていなかった。これは、見ていて勉強になった。

それから、交渉ということがある。えてして戦国時代ドラマでは、派手な合戦の場面を描くことになる。これはテレビドラマの作り方としては、そうなるのだろうが、それと同時に重要なことは、戦国大名や武将たちの駆け引きであり、今で言えば外交の重要性である。どんなに対立しているとしても、水面下では交渉のチャンネルを確保しておくべきだという指摘は重要である。

この交渉、外交の重要性は、今日において、歴史から学ぶべき重要なことの一つであると思った次第である。

2023年9月1日